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投資の世界では「株を持ちながら毎月の収入を得られる方法」としてカバードコール(カバコ)という戦略がよく登場します。
聞き慣れない言葉で難しそうに感じるかもしれませんが、仕組みをかみ砕いて理解すれば意外とシンプルです。
本記事ではカバードコールの基本的な考え方から、実際に投資家に人気のETFまでを初心者向けに解説していきます。
1. カバードコールって何?
カバードコールは、株式投資とオプション取引を組み合わせた投資戦略です。具体的には以下の2つを同時に行います。
- 株を保有する(現物株を持つ)
- その株に対して「コールオプション」を売る
コールオプションとは「ある株を将来、決まった値段で買う権利」のことです。たとえばトヨタ株を100株保有している投資家が、「1か月後に○○円でならこの株を売ってもいい」という権利を他の投資家に売るとします。このとき、投資家はオプションの売却益(プレミアム)を受け取ることができます。
イメージとしては、株を持ちながら“保険料”のようなお小遣いをもらう仕組みです。
カバードコールの基本構造
- カバード = 株を持っている状態
- コール = 買う権利(コールオプション)を売ること
つまり、「株を保有しながら、その株を買う権利を他人に売る」というのがカバードコールです。
実際のイメージ
- 例:トヨタ株を100株(株価2,500円)持っている
- その株を**2,600円で買う権利(コールオプション)**を他人に売る
- すると、オプション料(プレミアム)を受け取れる
👉 株価が2,600円以下なら、権利は使われず、自分は株とオプション料の両方を持ち続けられる。
👉 株価が2,600円を超えたら、その株を2,600円で売らなければならないけど、それでもオプション料分は利益が残る。
2. メリット
カバードコールのメリットは主に3つあります。
- インカム収入の増加
株の配当金に加え、オプション売却で得られるプレミアム収入がプラスされます。特に相場が横ばいのときでも収益が得られるのは大きな強みです。 - 仕組みが比較的シンプル
株を持っていればオプション売りを組み合わせるだけなので、他のデリバティブ戦略に比べると理解しやすい部類です。 - ETFで自動運用が可能
個人がオプション取引を直接行うのは難易度が高いですが、ETFを使えば仕組みを自動的に組み込んでくれるため、初心者でも利用できます。
3. デメリット
一方で、カバードコールには注意点もあります。
- 株価上昇の利益が限定される
大きく株価が上がっても、オプションで決めた売却価格以上の利益は得られません。つまり「大きな上昇相場」では機会損失になる可能性があります。 - 株価下落には無防備
株が大きく下がった場合、オプション収入では損失を埋められません。「守りの戦略」とは言えないのです。 - 相場に合うかどうかが分かれる
横ばい〜緩やかな上昇に強い一方、急騰・急落の相場ではパフォーマンスが落ちやすい特徴があります。
4. カバードコールETFの代表例
実際に米国市場には、カバードコール戦略を採用したETFが複数存在し、日本の個人投資家にも人気です。
- QYLD(グローバルX NASDAQ100 カバードコールETF)
NASDAQ100に連動しつつカバードコールを組み合わせたETF。毎月分配で高い利回りを誇ります。 - XYLD(グローバルX S&P500 カバードコールETF)
S&P500を対象にしたカバードコールETF。より分散された銘柄構成で安定感があります。 - JEPI(JPモルガン・エクイティ・プレミアム・インカムETF)
S&P500の動きをベースに、カバードコールと独自の運用を組み合わせた商品。安定配当と値動きのバランスが注目され、近年人気が高まっています。
👉 これらのETFについては別記事で詳しく紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
5. 初心者に向いている?
カバードコール戦略を個人が自力で行うのはハードルが高いですが、ETFを活用すれば「仕組みはすべて自動」で運用してくれます。
そのため、初心者でも「毎月の分配金を受け取りながら株を持つ感覚」を体験できます。
ただし、短期の値上がり益を狙う投資には向いていません。
「安定したインカム収入を得たい」人向けの投資手法といえるでしょう。
まとめ
カバードコールは「株を持ちながらオプションを売る」ことで収入を得る戦略です。
横ばい相場に強く、配当金に加えて安定的なキャッシュフローを得られる点が魅力です。
ただし株価急騰時の上昇益を逃すリスクや下落には弱い点もあるため、特徴を理解した上で活用することが大切です。
ETFを使えば初心者でも取り組みやすいので、まずはQYLDやJEPIといった商品を調べてみるとよいでしょう。
私は試しにQYLDを購入しています。
●初!QYLD配当●
ETFについてはこちらで解説しているので是非読んでみてください。
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