MMPAです。
前回の続きです。
●VYM?QY…?ん?なに?1●
第2回:オルカン・S&P500 vs 高配当ETF|資産形成の戦略的比較
はじめに
前回は米国高配当ETF(VYM・QYLD・JEPI・SCHD・HDVなど)の違いを紹介しました。
今回は、それら高配当ETFと、資産形成の代表格である「オルカン(全世界株)」や「S&P500」との違いを比較し、どのように組み合わせて使うかを解説します。
1. オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))
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投資対象:全世界(先進国+新興国)
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経費率:約0.1133%
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配当:なし(ファンド内再投資)
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投資対象例:米国、日本、欧州、新興国など50カ国以上
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ベンチマーク:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)
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特徴
・世界中の株式に自動分散
・投資初心者にも人気
・配当は出さず、再投資で資産成長を狙うスタイル
・新興国リスクも一部含むが、全体の約60%は米国株で構成されている
2. S&P500連動型(例:eMAXIS Slim 米国株式 S&P500)
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投資対象:米国の大型優良500社
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経費率:約0.093%
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配当:なし(ファンド内再投資)
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投資対象例:アップル、マイクロソフト、アマゾン、ジョンソン&ジョンソン等
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ベンチマーク:S&P500指数
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特徴
・米国の経済成長をストレートに享受できる王道インデックス
・過去20年で年平均リターンは約7〜10%(ドルベース)
・セクター分散も良好
・為替の影響はある(円建てで上下)
3. 高配当ETFとの主な違い
項目 | オルカン | S&P500 | 高配当ETF群 |
---|---|---|---|
投資目的 | 長期成長 | 長期成長 | 配当収入+成長 |
分配金 | なし(再投資) | なし(再投資) | あり(月or四半期) |
利回り | 実質1〜2%相当(値上がり込み) | 実質1〜2%相当 | 実配当 3〜10% |
トータルリターン | 高 | 高 | 中〜低(銘柄による) |
元本維持 | 長期では強い | 長期では強い | 銘柄により減少リスクあり(特にQYLD) |
税制効率 | 高い(配当課税なし) | 高い | 配当課税あり(日本で20.315%、外国税額控除も考慮) |
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4. 資産形成 vs 配当重視
資産形成に強いのは
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オルカン
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S&P500
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SCHD(配当ありながら成長性あり)
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配当収入に強いのは
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JEPI(高配当かつ株価安定)
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QYLD(超高配当だが元本減少に注意)
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HDV(配当+守備型)
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5. 組み合わせ例
ケース①:20代・30代(資産形成メイン)
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オルカン70%
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S&P50020%
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高配当ETF(JEPI/SCHD)10%
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目的:再投資による資産最大化を狙う
ケース②:40代・50代(資産形成+配当意識)
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オルカン50%
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S&P50020%
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高配当ETF(VYM/SCHD/JEPI)30%
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目的:将来の取り崩しや副収入も見据える
ケース③:リタイア・配当生活志向
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JEPI 40%
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QYLD 30%
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HDV/VYM/SCHD 30%
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目的:毎月の配当を生活費に活用
※注意:QYLDは元本減少リスクあり。取り崩しも視野に入れた戦略が必要。
6. QYLDやJEPIを「オルカンやS&P500の補完」として使う戦略
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オルカンやS&P500は「配当がない=お金が入ってこない」
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QYLDやJEPIを一部入れることで「定期収入」が発生する
このように組むことで「資産を増やしながら、少しずつ配当も得る」ハイブリッド戦略が可能。
7. まとめ
投資先 | 目的 | 強み | 注意点 |
---|---|---|---|
オルカン | 長期資産形成 | 世界分散・自動リバランス | 配当なし、リスク分散しすぎることも |
S&P500 | 長期成長・米国特化 | 成長性高、実績豊富 | 米国依存、無配 |
VYM / HDV | 安定配当 | 配当と株価安定のバランス | 増配率はやや低い |
SCHD | 成長+配当 | 高実績、配当も成長も | 為替リスク、過去の成績は将来の保証ではない |
JEPI / QYLD | 配当生活 | 月々の現金収入 | 元本リスク、成長性低い(特にQYLD) |
最後に
投資は目的に応じた組み合わせが大切です。
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増やすための「エンジン(オルカン・S&P500)」
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生活を支える「配当(JEPI・QYLD・VYMなど)」
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この2つを自分なりにどうバランスを取るかが、資産形成成功のカギになります。
まだもう一回続きます。
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