MMPAです。
先日、10年以上手つかずだったヴィンテージロレックスを売却しました。
オイスターパーペチュアルデイト18K(Ref.1502)。
状態は非常に良好でした。
金ぴかのロレックスを着ける機会がなかなかなく、譲り受けてからほとんど箱から出すこともありませんでした。
今回は前編として、モノ資産を現金化する」というプロセスを通じて考えたことをまとめてみたいと思います。
査定巡りの具体的な記録は後編にまとめる予定なので、気になる方はそちらもどうぞ。
※本記事では具体的な売却金額は伏せています。あくまで判断の考え方の参考としてお読みください。
※譲り受けた品の売却益は、要件を満たせば譲渡所得として確定申告の対象になり得ます。
実際の取り扱いは税理士や税務署にご確認ください。
金・時計・金融資産、それぞれのリターン構造
今回、売却を考えるうえで整理したのが、時計という資産が持つ2つの価値の重なりと、金融資産との違いです。
①金のリターン構造
金(ゴールド)は、需要と供給、世界情勢、通貨価値との相対関係によって価格が変動する、いわば「地金としての価値」そのものです。
金自体が配当を生んだり、何かを生産したりするわけではなく、価格が上がるか下がるかだけがリターンのすべてという、シンプルな資産です。
②時計のリターン構造
ロレックスの価格上昇の背景には、メーカーの生産調整があります。
ブランド価値を高めるために生産量をあえて絞っており、当然、流通量が減れば価格は上がります。
これを聞いたとき、正直「すげぇせこいことやってんなぁ」と思いました。
でも実際、この戦略もあって、現在は金の価値よりも時計としての価値の方が上回っている状況です。
2022年前後には投機マネーの流入+生産調整で相場が急騰し、その後は調整局面に入りましたが、2026年に入ってからは正規価格の値上げを機に回復の兆しも見えています。
今なお、市場で取引されているロレックスの多くは定価を上回る価格で成立しているようです。
ただ、この“ロレックス相場”に敏感に反応するのは、主に現行の人気モデルのようです。
ヴィンテージロレックスはまた違った値動きをするようで、「現行モデルが高騰しているから、ヴィンテージも同じように連動して上がる」というわけではないとのことでした。
今回売却したデイトも、デイトナなどのプロフェッショナルモデルほど派手な高騰こそありませんが、需要が供給を上回り続けているため値崩れしにくい、いわば「資産時計」として定着しているモデルです。
製造から数十年経っていても、コレクターや愛好家からの需要さえあれば高額査定が期待できるとも言われています。
さらに面白いのが、ここ数年のロレックス市場ではステンレスモデルへの需要が集中する一方で、金無垢モデルは相対的に「お得感」が出やすいという逆転現象が起きていることです。
③株式等金融資産のリターン構造
一方、株式や投資信託のような金融資産は、企業が利益を上げ続ける限り、保有しているだけで配当や値上がり益という形で価値を生み続けます。
金や時計のような「価格が上下するだけ」の資産とは、リターンの生まれ方が根本的に違います。
④今回のロレックスのリターン構造
今回売却したのは18Kの金無垢モデル。
つまり、金としての価値と、時計としての価値の両方を併せ持っていました。
現状は時計としての価値の方が金の価値を上回っている状況ですが、このバランスが今後どちらに転ぶかは誰にも分かりません。
金相場がさらに上がって地金価値が時計の価値に追いつく可能性もあれば、ヴィンテージとしてのプレミアムがさらに乗る可能性もあります。
こういう「複数の価値が重なった資産」は、どちらの価値が優勢なタイミングで現金化するかによってリターンが変わるという点で、実は株式の中でも配当株とグロース株を併せ持つポートフォリオに近い性質があると感じました。
売却を決めた理由
理由を整理すると、次の3つです。
- 着用する機会がほぼない(これが一番の理由、自分の趣向的にも今後も着けない)
- 10年以上ほぼ未使用のため保存状態が非常に良好
- ロレックスの相場が上昇傾向にある
このあたりは前の項目とも重なりますが、
**「使わないなら、状態が良く相場も良いうちに現金化する」**
というシンプルな判断です。
手にした現金をどう活かすか
ここが重要で、ただ売って使ってしまったら意味がありません。
せっかくまとまった現金が手に入ったので、目的別に配分を考えました。
- 30%:生活防衛資金
投資をしているとどうしても現金比率が低くなりがち(意志が弱い)なんですが、現金を多めに残すことで一旦バランスをとることにしました。 - 50%:貴金属などの現物資産
18k無垢の時計だったので貴金属の購入を検討しています。 - 15%:金融商品(株式ETF)
少し円高になったので海外ETF等の買い増し費用に充当。単元株未満の銘柄へも少し。 - 5%:自分へのご褒美
ま、一応交渉もしたし自分への手数料ってことで。
一番悩んだのが、50%を貴金属などの現物資産に振り分けた点です。「せっかく時計という現物資産を手放したのに、また現物に戻すのか」と思われるかもしれません。
ですが、これは**「時計という流動性の低い現物」から「金地金など、より流動性が高く分割しやすい現物」への組み替え**という意図です。
時計は1本まるごとでしか現金化できませんが、地金やコインであれば必要な分だけ小分けに現金化しやすく、資産としての機動力が上がります。
金融商品に回した15%は、円高で買いやすくなる海外ETF等を中心に、単元株未満の国内株式の買い増しに回す予定です。
想定外のキャッシュが入ったことで、資産全体のバランスを見て配分し直すということができました。
まとめ
10年以上、着けることもなくただ箱の中にあったロレックス。
金ぴかのロレックスは、正直なところ「資産」というより単純に「もらったもの」という感覚。
今回、実際の売却あたり、現物資産について考える良い機会となりました。
現物資産はインカムゲインが無いので、持っているだけでは価値を生みません。
時計のように実用性があれば使い方によっては自分の価値を高めてくれる自己投資となる可能性があります。
しかし、株や投資信託であれば「保有している」こと自体にリターンの機会がありますが、着けない時計は箱の中でただ時間が過ぎていくだけ。
金相場が上がっていようが、時計としての価値がまだそれを上回っていようが、その含み益は自分の手元で使える形にならない限り、意味を持ちません。
今手元にあるものが「自分にとって価値のあるものか」、「手放すことで現状より有効活用できるか」を熟考した結果今回は売却の決断をしました。
結果、眠っていた現物資産を、生活防衛資金・現物資産・金融資産という別の形に組み替えられたことは一番の得られた収穫だったと思います。
今回は投資をメインに考え用途を振り分けましたが、これが正解ではありません。
うまいもの食べに行ってもいいし、旅行に行ってもいいし、今までやらなかったような贅沢をするのもありだと思います。
売却先を決めるまでの査定巡りの記録は、後編でまとめる予定です。
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