MMPAです。
「株主優待は欲しいけれど、株価が下がるのが怖くてなかなか手が出せない……」 そんな投資家の方におすすめなのが、**「優待クロス取引(つなぎ売り)」**という手法です。
この方法を使えば、株価の下落リスクをほぼゼロに抑えながら、狙った株主優待だけを賢く手に入れることができます。
今回は、優待クロス取引の仕組みから、初心者が見落としがちな注意点まで、分かりやすく解説します。
1. 優待クロス取引とは?「タダ取り」と言われる仕組み
優待クロス取引とは、一言で言うと**「同じ銘柄を、同じ株数、同じタイミングで『買い』と『売り』の両方の注文を出す」**手法のことです。
なぜ株価が下がっても平気なの?
通常、株を持っているときに株価が下がると損をしますが、クロス取引では「信用売り(空売り)」を同時に行っています。
- 株価が上がった場合: 現物株の利益が出るが、信用売りの損失が出る(相殺されて±0)
- 株価が下がった場合: 現物株の損失が出るが、信用売りの利益が出る(相殺されて±0)
このように、株価がどちらに動いても損益が打ち消し合うため、実質的なリスクなしで株主名簿に名前を載せ、優待を受け取る権利だけを確保できるのです。
2. 準備から完了まで!具体的な3つのステップ
優待クロス取引は、以下の3ステップで完了します。
ステップ①:権利付き最終日に注文を出す
「権利付き最終日」の市場が開く前までに、**「現物買い」と「信用売り」の注文を同じ数量で出します。このとき、価格がズレないようにどちらも「成行(なりゆき)注文」**にするのが鉄則です。
ステップ②:権利が確定するのを待つ
権利付き最終日の大引け(市場が閉まる時)を跨ぐことで、株主としての権利が確定します。
ステップ③:権利落ち日に「現渡」で決済する
翌営業日の「権利落ち日」になったら、**「現渡(げんわたし)」**という注文を出して決済します。
現渡とは、持っている現物株をそのまま証券会社に返して、信用売りの決済に充てる方法です。
これにより、市場で株を売らなくても取引を終了させることができます。
3. 知っておかないと怖い!「隠れたコストとリスク」
「リスクゼロ」と言われるクロス取引ですが、実は**「コスト」と「思わぬ落とし穴」**が存在します。
ここを理解していないと、かえって赤字になってしまうこともあるので注意しましょう。
① 取引にかかる諸費用
優待クロスは完全無料ではありません。以下の費用がかかります。
- 売買手数料
- 貸株料(かしかぶりょう): 株を借りるためのレンタル料(年率数%を日割りで計算)
優待の価値(例:1,000円のクオカード)が、これらの合計コスト(例:300円)を上回っていることを確認してから行いましょう。
ここは結構大事なところです!
② 最大の敵「逆日歩(ぎゃくひぶ)」
信用取引には「制度信用」と「一般信用」の2種類がありますが、初心者は必ず**「一般信用」を使いましょう。
「制度信用」で行うと、株が不足した際に「逆日歩」**という高額な追加レンタル料が発生するリスクがあります。
過去には「数千円の優待をもらうために、数万円の逆日歩を支払った」という悲劇も起きています。
4. 成功するための「銘柄選び」3つのコツ
- 「一般信用」の在庫がある銘柄を狙う: 楽天証券やSBI証券などの「一般信用売り在庫」をチェックしましょう。
人気銘柄は権利日の数週間前から在庫がなくなる争奪戦になります。 - 配当金の扱いに注意: クロス取引では、配当金も「買い」と「売り」で相殺されますが、配当金にかかる税金の関係で、一時的に口座から資金が引かれる場合があります。
余裕を持った資金計画が必要です。 - 利回りの高い金券類がおすすめ: クオカードやギフトカードなどの金券類は、価値がはっきりしているため手数料負けしにくく、初心者におすすめです。
まとめ:賢く優待ライフを楽しもう!
優待クロス取引は、仕組みさえ理解してしまえば、投資のリスクを抑えながら生活を豊かにできる素晴らしい手法です。
まずは、**「一般信用取引」を使い、手数料の安いネット証券(楽天証券やSBI証券など)**で少額から始めてみるのが一番の近道です。
次の権利確定日に向けて、気になる銘柄の在庫チェックから始めてみてはいかがでしょうか?
(注記) クロス取引には信用口座の開設が必要です。また、手数料体系は証券会社によって異なります。投資の最終判断はご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。
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