MMPAです。
前回配当利回りランキングの顔ぶれについて触れました。
ランキング上位で目につく、銘柄名の後ろに「投資法人」とつく、いわゆるREIT(リート)やインフラファンドです。
「株式会社と何が違うの?」「利回り6%、7%って怪しくない?」そんな疑問を解消するために、今回は投資法人の仕組みから、ランキング最上位の銘柄分析、そして具体的な買い方まで、個人投資家目線で深掘りしてみました。
1. 「投資法人」は、みんなで大家さんになるための「ハコ」
まず、根本的な疑問である「株式会社との違い」から整理しましょう。
普通の株式会社(例えばトヨタやNTT)は、工場を作ったりサービスを開発したりして、その利益を成長のために再投資し、余った分を株主に配当します。
対して「投資法人」は、自分たちで何かを作るわけではありません。
投資家から集めたお金で「ビル」「マンション」「ホテル」などの不動産を買い、そこから得られる家賃収入を、投資家に分配するためだけに存在する**「特別なハコ(仕組み)」**です。
なぜ、これほど利回りが高いのか?
投資法人がランキング上位の常連なのは、日本の法律に「利益の90%以上を投資家に分配すれば、法人税が実質ゼロになる」というルールがあるからです。
株式会社だと、利益から税金を引かれた後に配当が出ますが、投資法人は税金を払う前にほとんどを分配に回せます。
この「仕組みの差」が、5%〜7%という高利回りの正体なんです。
2. 不動産だけじゃない!生活を支える多様な種類
「投資法人=ビルやマンションの家賃」というイメージが強いですが、実は私たちの生活のあちこちに存在します。
最近では「これも投資対象なの?」と驚くようなジャンルも増えています。
- 物流施設リート(プロロジス、日本ロジスティクスなど): ネット通販の拡大で、巨大な倉庫の需要は右肩上がりです。景気に左右されにくい安定感が魅力。
- ヘルスケアリート(日本ヘルスケアなど): 老人ホームや医療施設が対象。超高齢化社会の日本では、これからますます重要になるインフラです。
- インフラファンド(エネクス・インフラなど): 不動産ではなく、太陽光発電所などの「発電設備」を運営します。売電価格が安定しているため、非常に高い利回りを維持しやすいのが特徴です。
- ホテルリート(ジャパン・ホテル・リートなど): 今まさに「インバウンド復活」の波に乗っているジャンル。観光客が増えれば増えるほど、私たちの分配金も増える……というワクワク感があります。
3. ランキング最上位「ジャパン・ホテル・リート(8985)」
では、現在のランキングで投資法人トップクラスに位置している、**ジャパン・ホテル・リート投資法人(JHR)**を例に、具体的な中身を見てみましょう。
JHRは、日本全国の有名なホテル(ヒルトン成田、オリエンタルホテル、ドーミーインなど)を多数保有する、国内最大級のホテル特化型リートです。
【2026年3月時点のJHRデータ】
- 投資口価格(株価): 78,000円前後
- 予想分配金利回り: 約6.5%
- NAV倍率: 約0.95倍
ここで注目したいのは、JHR特有の「家賃の仕組み」です。
普通のマンションは家賃が固定ですが、JHRが持つ多くのホテルは**「変動賃料」**といって、ホテルの売上が上がれば上がるほど、オーナーであるJHR(=私たち投資主)への家賃も増える契約になっています。
「旅行ブームでホテル代が高くなっている」というニュースを見るたびに、JHRの分配金が増える期待も高まる……。
まさに今、旬の銘柄と言えるでしょう。
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4. なぜ今、ランキングに投資法人が目立つのか?(リスクの視点)
良いことばかりに見えますが、50位までに投資法人がこれほど並んでいるのには、裏の理由もあります。
それは、マーケット全体の**「金利上昇への不安」**です。
投資法人は、物件を買うために銀行から多額の借金をしています。
これから日本の金利が上がっていくと、「利払いが増えて、分配金が減るのではないか?」と不安になった投資家が売りに出しました。
その結果、価格(分母)が下がったことで、見かけ上の利回りが跳ね上がっているのです。
「業績が良いから上がっている」のか「不安で価格が下がっているから上がっている」のか。
この両面を見ることが、大切な視点だと私は思います。
5. 具体的な買い方と、絶対にチェックすべき「3つの指標」
投資法人は、普通の株と全く同じように証券口座で買えます。
- 購入方法: SBI証券などのアプリで、銘柄コード「8985」と入力して買うだけ。
- 取引単位: ほとんどが「1口単位」なので、数万円から大家さん気分を味わえます。
ただ、選ぶ際に「PER」や「PBR」はあまり使いません。
代わりに以下の3つを必ずチェックしましょう。
- 分配金利回り: 配当利回りと同じですが、リートでは「分配金」と呼びます。
- NAV倍率(エヌ・エー・ブイ): 株でいうPBRです。1倍を切っていれば、その投資法人が持つ物件の価値に対して「割安」に放置されているサイン。
- LTV(借入金比率): 資産に対してどれくらい借金をしているか。50%を超えてくると、金利上昇の影響を強く受けやすくなるため、注意が必要です。
6. まとめ:投資法人をポートフォリオに入れる選択肢
こうして投資法人を調べてみて、感じたことがあります。
実は、投資法人の個別銘柄を買うということは、感覚としてはETF(上場投資信託)を買うことに非常に似ているんじゃないか、ということです。
投資法人 ≒ 専門家が選んだ「物件の詰め合わせ」。
私たちが「JHR(8985)」という一つの銘柄を買うとき、実際にはその裏側にある40以上のホテルすべてに分散投資をしていることになります。
これを個人でやろうとすれば、何百億、何千億円という資金が必要ですが、投資法人という「ハコ」を通すことで、私たちは数万円からその**「詰め合わせパック(ポートフォリオ)」**のオーナーになれるわけです。
今回、高配当ランキングトップ50に10銘柄以上も入っていた投資法人。
単に「利回りが高いから」という理由だけでなく、**「一つの銘柄を買うだけで、自動的に数十の物件に分散投資ができる」**という効率の良さを考えると、分散投資の観点からもポートフォリオに組み入れるのは大いに「有り」だなと感じています。
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