●【警鐘】米サブプライム市場に異変?相次ぐ破産申請と「金融危機前夜」の既視感●

MMPAです。

米国株市場が堅調に推移する一方で、その水面下では2008年のリーマンショックを彷彿とさせる「信用リスク」が頭をもたげ始めています。
最近報じられた、米国の低所得者向け融資(サブプライム)市場における連鎖倒産のニュースから、現在の市場が抱える潜在的リスクを整理します。

🔍 米サブプライムローン市場で起きている「連鎖倒産」

直近数ヶ月で、米国のサブプライム層向け融資を扱う中堅企業が相次いで破産保護手続き(チャプター11)を申請しています。

  • プライマレンド・キャピタル(10月):自動車担保融資大手。高金利と延滞増により破綻。
  • トライカラー(9月):同様の自動車ローン会社が破産手続きに。
  • ファースト・ブランズ(9月):負債負担に耐えきれず破産申請。

これら各社に共通するのは、銀行ではなく**「私募ローン(プライベートクレジット)」**という、規制の枠外にある不透明な市場から資金を調達していた点です。

📊 過去の暴落時を上回る?異常値を指す「バフェット係数」

今回の連鎖倒産がこれほど懸念される背景には、米国の株式市場が歴史的に見て「極めて割高」な水準にあることが挙げられます。
それを端的に示すのが、投資の神様ウォーレン・バフェット氏が最も信頼する指標、**「バフェット係数(市場時価総額 ÷ 名目GDP × 100)」**です。

バフェット氏はかつて、**「この比率が200%に近づくとき、あなたは火遊びをしていることになる」**と警告しました。現在の数値と過去の暴落直前を比較すると、その異常さが際立ちます。

時期・出来事米国バフェット係数(推計)市場の状態
2025年12月現在約223% 〜 230%歴史的最極圏
2000年:ITバブル崩壊直前約140%ネット株ブームの頂点
2007年:リーマンショック直前約110%サブプライム住宅ローン危機前

現在の数値は、あのリーマンショック直前の2倍近い水準に達しています。
実体経済(GDP)との乖離がここまで進んだ状態で、2008年を彷彿とさせるニュースが出始めたことは、無視できないサインと言えるでしょう。

⚠️ リーマンショック前夜との共通点と懸念

JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、今回の破産を**「広範囲な問題の氷山の一角」**であると警告しました。
一社の問題ではなく、システム全体の脆弱性が露呈し始めているという見方です。

私募ローン市場はここ10年で3倍(約2兆ドル)に急膨張しましたが、非公開ゆえに「問題が生じても表に現れるシグナルが遅い」という特性があります。
ムーディーズなどの格付け機関も、この不透明なポートフォリオの中に潜むリスクに警鐘を鳴らし続けています。

おわりに:準備することの大切さ

ここまで、市場の過熱感と具体的な破綻の兆候について触れてきました。

しかし、これは決して闇雲に危機感を煽ることが目的ではありません。
重要なのは、市場が楽観に包まれている時こそ、こうした「負のシグナル」から目を逸らさず、冷静に受け止めることです。

好景気が永遠に続くことはありません。
常に最悪のシナリオを含む「リスク」を想定内に置き、自身の資産配分やキャッシュポジションを確認するなど、万が一の事態に備えておくこと。
その準備があるからこそ、私たちは動揺せずに投資を続けていくことができます。

市場の歪みがどこで修正されるかは誰にも分かりませんが、「備え」を持つ投資家でありたいものです。

参照記事はこちら

米サブプライムローン、相次ぎ倒産…「金融界全般に危険信号」


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